ジェイファーマ株式会社は近年、創薬標的として注目されているアミノ酸トランスポーター、LAT1阻害薬の治験を世界で唯一、実施しているスタートアップです。同社創業者フェローの遠藤仁氏(東京大学医学部助教授を経てその後杏林大学教授)、金井好克氏(大阪大学医学系研究科教授)により1998年にアミノ酸取り込みに関与する細胞膜輸送体であるLAT1の単離に成功しました。同社が開発を進めているLAT1阻害薬、ナンブランラト(開発コード:JPH203)の第2相臨床試験の結果は今年2月、ASCO(American Society of Clinical Oncology;米国臨床腫瘍学会)にて、トップ3%だけが選ばれる口頭発表に選出されました。最も開発が進むナンブランラトは胆道がんを最初の適応症として開発を実施、その後、適応症を拡大させる方針です。
ナンブランラトはがん細胞においてLAT1を介したアミノ酸取り込みを阻害し、がん細胞を細胞死に追い込みますが、一方で正常細胞に発現するLAT2は阻害しません。ジェイファーマでは副作用の少ない抗がん薬となることを目指して、有効な治療法の少ない胆道がんに対してナンブランラトの臨床試験を進めています。代表取締役には大手製薬会社で経営陣として、研究開発、事業開発、販売戦略と広範に経験した吉武益広氏が就任しております。
■投資意義
日本の胆嚢・胆管がんの年間罹患者は2.3万人。年間死亡者数は1.8万人と7番目に多い疾患です。また、胆道がんの5年相対生存率は21種のがんの中、男女とも膵癌に次いで2番目に生存率は低い疾患となっています(出典:国立がん研究センターがん情報サービス)。ジェイファーマのLAT1阻害薬、ナンブランラトは作用機序ががん特異的、かつ、作用機序がマイルド。たとえ、末期がん患者であっても、最後まで希望を与え続けられる医療体制の構築に寄与することが期待されています。
■ファンド 投資テーマとの整合性
1. 安心できる医療のデフォルトスタンダードとなる得る製品、サービス
2. 前向きかつ多様な活動、ライフスタイルへの取り組みを促す製品、サービス
■ジェイファーマ株式会社 代表取締役 吉武 益広のコメント
ラウンドEにおきまして24億円の追加資金調達を実施しました。現在進めているナンブランラト、JPH034のプロジェクトにつきましては、大きな進展が見られました。SIIFICウェルネスファンド様をはじめとして、今回出資していただいた投資家の皆様には、当社の取り組みをご評価いただき、次のステージに進めるための大きな後押しを得たと思っています。株主の皆様、薬剤に期待を寄せる患者様、医療関係者のご期待に応えるべく、全力で創薬への挑戦を推し進めて参る所存です。
ジェイファーマ株式会社の概要
会社名:ジェイファーマ株式会社
所在地:神奈川県横浜市鶴見区小野町75番地1 横浜新技術創造館1号館
代表者:代表取締役社長 吉武 益広
事業内容:医薬品の開発
設立年月日:2005年12月26日
会社HP:https://www.j-pharma.com/
SIIFインパクトキャピタル株式会社の概要
会社名:SIIFインパクトキャピタル株式会社
所在地:東京都港区南青山3-1-3 スプライン青山東急ビル6F
代表者:代表取締役 梅田 和宏・三浦 麗理
事業内容:インパクト投資ファンドの運用業務
設立年月日:2022年9月8日
会社HP:https://siific.co.jp
SIIFICウェルネスファンドの概要
ファンド名 | SIIFICウェルネス投資事業有限責任組合 |
設立日 | 2023年6月7日 |
ファンド運営者 | SIIFIC有限責任事業組合 |
投資対象 | ウェルネス領域において、財務的なリターンと並行してポジティブで測定可能な社会的・ 環境的なインパクトを同時に生み出すことを意図している、革新的なスタートアップ企業 |